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昨日書いた記事にて、意見書のアイデア出しはあらかた完了した。よって、文章にまとめ上げる作業に移る。今回は総務省パートに絞る必要があるため再構成も行う。

以下、意見書本文

他のMNOに割り当てられた周波数(P.85)

周波数という言葉が、中心周波数、周波数範囲いずれかあるいは全てを指しているのか不明瞭であるため、文意に沿って具体的な記述に変更するべき。

また、本文書内において、保護規定に関する存在しないが、2.0GHz帯の一部など本文書内定義のMNOと接続する場合考慮する必要がある。このことについて、検討しない方針なのか。

速度が低下する(P.85)

ネットワーク応答の遅延、帯域幅の減少いずれかあるいは全てを指しているのか不明瞭であるため、具体的な記述に変更するべき。

このため利用者にとって乗換えの障壁となる、との指摘がある(P.85)

直後の段落は「実際」と続くことから、国民から行政に対する意見として前記のことが予め届けられている事実を述べる文章と考えられる。よって、電気通信消費者相談センター宛以外に「第三者から早期に」陳情や意見書が届いたなどの事実が必要と考えられる

図表Ⅲ-3 、図表Ⅲ-4、図表Ⅲ-5、図表Ⅲ-6、図表Ⅲ-7

MNOとして挙げられる中に沖縄セルラーの名前が無い、これは本文書におけるスコープ外のMNOと考えていいのか。

図表Ⅲ-2、図表Ⅲ-3 、図表Ⅲ-4、図表Ⅲ-5

3.4GHz帯においても同様にBand 42が運用されており、他の表記に統一するのであれば、併記が必要と考える。

第4世代移動通信システムとLTEを区分するのであれば、全国BWAのローミングを考慮する必要がある。

図表Ⅲ-2、図表Ⅲ-6、図表Ⅲ-7

第5世代移動通信システムを導入するための開設計画の変更認定を、すでに受けているMNOが存在することや、楽天モバイルが第5世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定を受けていることから、その周波数帯も表記する必要があると考える。

図表Ⅲ-3 、図表Ⅲ-4、図表Ⅲ-5

NTTドコモとドコモの表記揺れが存在する。

図表Ⅲ-6、図表Ⅲ-7

図表Ⅲ-2、図表Ⅲ-3 、図表Ⅲ-4、図表Ⅲ-5においては、周波数帯の呼称を総務省定義に統一していたが、本表においては表内でさえ統一されていない。Band n77とBand n78における周波数帯の呼称も、末尾に帯がつくかどうか統一されていない。総務省が電波割当時に用いた呼称に統一することを提案する。

また、ソフトバンクが3.4GHz帯と3.5GHz帯で運用3GPP Bandを分ける開設計画を認定されたように読める。これは事実と比較して相違ないか。

図表Ⅲ-4、図表Ⅲ-7

例示されているBALMUDA Phoneとrazr 5GはMNO以外も販売している機種である。他方、NTTドコモが取り扱うXperia、AQUOS、Galaxyは開発・発売と題された報道資料発表がある。これらの取り扱いを分けた基準が存在するのか確認したい。

700MHz 帯オークションの結果、多くの地域系中小事業者が獲得した免許ブロックに対応する「バンド 12」と、AT&T が獲得した免許ブロックに対応する「バンド 17」という、互換性のない2つのバンド(P.91)

一般に無線通信における「バンド」という言葉は、ある一定の周波数区分のみを示す言葉であると考えられる。アマチュアバンドプランという名前、レーダーの周波数帯を名前とした形で総務省内の文書でも用いられている。そのため、ある定義を示さない限り、その言葉が指す周波数区分が不明瞭となり、誤読が避けられない。本文書における無線通信のほとんどは、3GPPが策定する移動体通信と考えられる。よって、バンド番号先頭の「バンド」を除いて、3GPPバンドと表記することを提案する。

本来的には、どの端末であっても、どP.111回線でも、大きな機能制限等がない形で、利用できることが望ましい(P.107)

周波数を含めて、他の MNO の回線に対して相応の通信性能が発揮できなくなるような対応を求めることについては、正当な理由は見出し難く、事業者間の競争の促進にも資さないものと考えられる。現在、そうした行為が行われていることは確認できなかったが、今後もそのようなことが行われることがないよう、こうした行為について、ガイドラインに明記することなどにより、禁止されるべき旨を明確にすることが適当(P.108)

移動体通信事業者は無線網を、総務省により周波数範囲が割当され、必要な規格策定を行い運用している。この電波割当および電波監理過程における評価基準として、他移動体通信事業者網と共通の3GPPバンドを用いることを重要視していないと承知している。そのため800MHz帯と呼ばれるバンドにおいて、各社違う3GPPバンドを運用していると考えられる。本文書においては、総務省による今までの取り組みが触れられていないが、市場環境の形成に大きく作用しており、状況改善のために議論が必要ではないか。本WGは電気通信事業法のみに依拠しているが、議題が無線機の性能および、電波の公平利用に関する事柄であるため、電波法の観点からも議論されることを願う。

また、本文書においてMNOはNTTドコモ、KDDIおよび沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイルと考えられるが、移動体通信サービスはローカル5G、地域BWA、高度化MCAなど様々な形態で提供されており、例示したものは3GPP規格と互換性を持つ。これらの回線も検討スコープに含むのか議論が必要と考える。地域BWAは全国BWA、ローカル5Gと高度化MCAは携帯電話、それぞれ同一の3GPPバンドを運用している。本文書内で後述されている対応周波数帯の事前告知においても、具体的な周波数範囲を告知しないのであれば、検討が必要である。

複数の MNO の周波数に対応した端末メーカ直販モデルと、周波数が限定されたキャリア端末の販売価格を比較したところ、むしろ後者の方が高いことが確認された(P.109)

海外においては幅広い周波数に対応する形で販売されている端末と同じモデルについて、日本 国内では対応周波数が限定されているにもかかわらず、後者の方が高い場合もあることが確認された(P.109)

単純な比較はできないが、対応周波数を増加することについて、端末メーカ各社が指摘する製造コストの増加要因があるとしても、必ずしもそれが実際の販売価格における決定的・支配的な要素とはならず、むしろ販売価格の増加につながる他の要素が多く存在していることがうかがわれる(P.110)

上記2点において、異なる流通経路あるいは異なるリージョン下での比較である。流通経路により、収益構造及び経済コストが変動するため、無線機としての仕様変更のみが最終価格に反映されていると断じることはできない。また、日本国内外に価格差が存在することは、日本の法制度に販売価格増加要因が含まれている可能性を示すものであり、これを否定し無線機としての仕様変更によりのみ販売価格が変更されていることを示す必要がある。よって、販売価格のみによるコスト構造の推定に限界が存在し、今回の議論にはふさわしくないとる必要があると考える。

端末メーカ各社からのヒアリングにおいて、複数の端末メーカから、携帯端末の対応周波数の範囲を広げることについては、開発費・部材費・認証費などの影響があり、製造コストの増加要因となるとの説明があった(P.109)

対応費用に部材費・開発費・認証費組まれることが例示されている。本WGは無線機メーカーに対する非公開ヒアリングを実施したが、同様に部品メーカーや認証機関などにヒアリングすることも必要ではないか。さらに、第5世代移動通信システムに移行後も異なる3GPPバンドを運用することが想定されている、800MHz帯、3.4GHz帯、3.5GHz帯、3.7GHz帯について試算し、定量的な評価も必要ではないか。

各 MNO の主要な周波数に対応することをルール化・標準化することが一つの案として考えられる(P.110)

前段では周波数とバンドを使い分けていると考えられる。その例に倣えば、ここで指す周波数は中心周波数あるいは周波数帯域と考えられるが相違ないか。

ここでルール化が提案されている。これは無線機の設計・開発・製造・販売のみならず、総務省による電波割当が該当し、今後の方針において国内ハーモナイズを第一にするということか。その場合、狭帯域となるため周波数利用効率が落ち、国民として利益が減る結果になるが議論するということでいいか。

関連する情報の提供については、①利用者が平素から関連する情報を容易に収集できる環境を整えるため、MNO や端末メーカにおいてウェブサイトにおける関連情報を充実させるとともに、②実際に利用者が端末を選択して購入する際において、できるだけ分かりやすい形で関連する情報が提供されることが適当である(P.111)

先に例示あったように、同一の周波数帯において異なる3GPPバンドが運用されている。本文書における周波数とバンドは、3GPPバンドと同一と定義していない。よって、例えば800MHz帯に含まれる単一の3GPPバンドに対応することで、800MHz帯対応として告知することが可能であり、議題となっている相互運用性の向上にはつながらない。前述したように、用語の再整理が必要である。

本議題における関連情報に、電波法における技術基準に適合した無線機として、どの中心周波数で、最大空中線電力いくらで送出するかも含まれていると考えられる。これらの情報は技術基準適合証明等を受けた機器の検索として、総務省電波利用ホームページにて公開されている。しかし確認するためには、番号あるいは形式を同定する必要がある。対象となっている小電力データ通信システムや携帯無線通信用陸上移動局などに対応する無線機おいて、番号を確認するためには、実機あるいは付属物の表示を確認する必要がある。そのため、利用者が入手時に技術基準の適合を確認できない場合が存在する。よって、利用者が入手前に番号も確認できるようになることが望ましい。

まとめ

忘れていた表に関する意見も含めた。総務省内で校正していれば、1秒で指摘されるようなことが直らずに、文書として公開されたことは不思議でならない。このことからも、性急かつ稚拙な議論であること窺える。構成員も、2.0GHz帯と2.1GHz帯のような総務省定義とグローバル定義紐づいていなかったり、議論するための土壌が整っていないという正直な感想だ。

このような稚拙な言葉遊びに終始し、結論ありきでは会議を開催するだけコストの無駄だ。また、国民が行政に負託している、社会の改善という願いを踏みにじる行為とも言える。庶務とオブザーバーを担当した官僚は役割を果たしたと言えるのだろうか。