eyecatch

今回ばかりは、幾ばくか気になるところがあるので、それを示すパブコメを提出することを考えている。そのための草稿として、一旦文章に起こすことに決めた。以下、それを対象となる文章とともに示すことにする。

以下、グダグダとツッコミの独り言

引用とツッコミの応酬になる。

総務省パート

他のMNOに割り当てられた周波数

これは、中心周波数を指すのか周波数範囲を指すのか不明瞭。

速度が低下する

これは、ネットワークの応答が長くなることとを指しているのか、帯域幅の減少を指しているのか不明瞭。

このため利用者にとって乗換えの障壁となる、との指摘がある

文意が、国民から行政に対する意見として前記のことが届けられていると考えられる。一般論として摘示するのであれば、行政の手元に「第三者から」陳情や意見書が届いたなどの事実と考えられる。

700MHz 帯オークションの結果、多くの地域系中小事業者が獲得した免許ブロックに対応する「バンド 12」と、AT&T が獲得した免許ブロックに対応する「バンド 17」という、互換性のない2つのバンド

一般に無線通信における「バンド」という言葉は、ある一定の周波数区分のみを示す言葉であると考えられる。実際に、アマチュアバンドプランという名前、レーダーの周波数帯を名前などにより総務省内の文書でも用いられている。そのため、ある基準を示さない限り不明瞭となり、誤読が避けられない。本文書における無線通信のほとんどは、3GPPが策定する移動体通信と考えられる。よって、バンド番号以外の「バンド」を3GPPバンドと表記することを提案する。

有識者パート

端末購入時に適切な情報提供が必要である。

無線機一般として、総務省により電波法に基づく認証情報が公開されていると認識している。しかし、携帯端末の販売現場においてはその認証情報が使用者に通知されているわけではない。よって、使用者は実機を入手後に、技術基準に適合しているかどうか実機の表示と公開情報とを照らし合わせる必要がある。これは電波監理上の問題点でもある。この点を含めての検討となるのか。

例えばバンド1を2.0GHzと書いてあるキャリアと、2.1GHzと書いているキャリアがいる

前者は総務省によるバンド区分、 後者は移動体通信において世界的なバンド区分と承知している。このように、総務省による区分と世界的な区分が異なる場合が存在する。2.0GHz帯、1.7GHz帯、3.4GHz帯、3.5GHz帯、3.7GHz帯が該当する。特に、3.4GHz帯、3.5GHz帯、3.7GHz帯については、同一の3GPPバンドが跨ることや複数の3GPPバンドが混在することにより、利用者による理解の妨げになっている可能性が考えられる。総務省としての対処方針を求めたい。

キャリアにより対応バンドがそれぞれ違うということを(利用者が)どれだけ知っているかとの問題は非常に大きい

各免許人にそれぞれ電波帯域が総務省により割り当てられ、携帯電話はその無線通信網に接続していることの周知は、電波の公正利用に繋がることであり賛同する。しかし、電波の公正利用のためのキャンペーンは、免許人、無線従事者、総務省が一体として行うことであり、この文書の目的なのか確認したい。

国際的な観点からの対応についても、是非考えていただければと思う

歴史的な経緯もあり、日本独自の電波割当になっている。これを改善するために、国際的なハーモナイズを目的とした周波数再編を歓迎する。しかし、この文書はそれが目的なのか。

再び総務省パート

本来的には、どの端末であっても、どの回線でも、大きな機能制限等がない形で、利用できることが望ましい

周波数を含めて、他の MNO の回線に対して相応の通信性能が発揮できなくなるような対応を求めることについては、正当な理由は見出し難く、事業者間の競争の促進にも資さないものと考えられる。現在、そうした行為が行われていることは確認できなかったが、今後もそのようなことが行われることがないよう、こうした行為について、ガイドラインに明記することなどにより、禁止されるべき旨を明確にすることが適当

移動体通信事業者の無線網は、総務省の電波監理により用いる周波数範囲が規定され、必要な規格策定を行い運用されている。この電波監理における評価基準として、他移動体通信事業者網と共通の3GPPバンドを用いられていないと承知している。そのため800Mhz帯と呼ばれるバンドにおいて、各社違う3GPPバンドを運用していると考えられる。本文書においては、総務省による今までの取り組みが触れられていないが、現状の形成に大きく作用しており、状況改善のためには議論が必要ではないか。

また、本文書においてMNOはNTTドコモ、KDDIおよび沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイルと考えられるが、移動体通信サービスはローカル5G、地域BWA、高度化MCAなど様々な形態で提供されており、例示したものは3GPP規格と互換性を持つ。これらの回線も検討スコープに含むのか議論が必要と考える。

複数の MNO の周波数に対応した端末メーカ直販モデルと、周波数が限定されたキャリア端末の販売価格を比較したところ、むしろ後者の方が高いことが確認された

海外においては幅広い周波数に対応する形で販売されている端末と同じモデルについて、日本国内では対応周波数が限定されているにもかかわらず、後者の方が高い場合もあることが確認された

上記2点において、異なる流通経路あるいは異なるリージョン下での比較である。流通経路により、収益構造及び経済コストが変動するため、無線機としての仕様変更のみが最終価格に反映されていると断じることはできない。また、日本国内外に価格差が存在することは、日本の法制度に販売価格増加要因が含まれている可能性を示すものであり、これを否定し無線機としての仕様変更によりのみ販売価格が変更されていることを示す必要がある。

単純な比較はできないが、対応周波数を増加することについて、端末メーカ各社が指摘する製造コストの増加要因があるとしても、必ずしもそれが実際の販売価格における決定的・支配的な要素とはならず、むしろ販売価格の増加につながる他の要素が多く存在していることがうかがわれる

よって、販売価格によるコスト構造の推定に限界が存在し、今回の議論にはふさわしくないとる必要があると考える。

各 MNO の主要な周波数に対応することをルール化・標準化することが一つの案として考えられる

前段では周波数とバンドを使い分けていると考えられる。その例に倣えば、ここで指す周波数は中心周波数あるいは周波数帯域と考えられるが相違ないか。

また、先に例示したように同一の周波数帯において、異なる3GPPバンドが運用されており、本文書における周波数とバンドは、3GPPバンドとしていない。よって、例えば800MHz帯に含まれる単一の3GPPバンドに対応することで、800MHz帯対応として告知することが可能であり、議題となっている使用者利益の保護にはつながらない。前述したように、用語の再整理が必要である。

ここでルール化が提案されている。これは無線機の設計・開発・製造・販売のみならず、総務省による電波割当が該当し、今後の方針において国内ハーモナイズを第一にするということか。その場合、狭帯域となるため周波数利用効率が落ち、国民として利益が減る結果になるが議論するということでいいか。

まとめ

主に民業圧迫となる一章に絞る予定だ。総務省本来の掌握業務である電波監理により、市場環境が形成されたことを全体を通して無視しており、負担を民間のみに負わせることを志向しているようだ。その負担は最終的に国民に降りかかり、実際行政が能動的に事態解消していれば、3.5GHz帯など4社共通の3GPPバンドになりえた。行政目標達成のために無視してきた事柄を掘り返すのであれば、経緯も再検証するのが誠実だろう。こういった自己都合によるちゃぶ台返しを繰り返してきたことが、広範な汚職と市場環境の悪化を招いたのではないだろうか。