eyecatch

昨日、心のままに記事を書き殴りましたけれど、案外読んでいただいて嬉しい限りです。久しぶりに、アナリティクスやサーチコンソールを確認したところ、雨続海岸で検索上位だったりでびっくりしました。私の書いている記事なんて大半が検索汚染に近いとは自分でも思いますけどね。一般のブロガーみたいに、写真が多いわけでもなく、構造化されたわかり易い書き方でもないですし。それでも、読んでくださるならそれほど光栄な話はないわけです。感想等ありましたら各所にどうぞよろしくおねがいします。個人的な話はこれくらいにして、昨日のお話の続きです。昨日の記事は、精神的に、歴史的に菅官房長官の発言がどれだけ不適切か、無思慮かということをテーマにしていました。しかしながら、日本携帯電話業界の販売面は問題を抱えているのでそれをどう解決しましょうかという話をしないままではどこかの野党と一緒になってしまいます。というわけで、それを書こうという趣旨でこの記事は進んでいきます。また、菅官房長官はどうも他国との比較をしていたらしいという情報もあるので、該当講演会の映像や書き起こしを探しつつ、日本のライバル地域との比較を次回したいと思います。近日に書かれなかったら、そういうことと思ってください。

やっぱり前提から入りましょう

皆さんが目にしている「au」、「docomo」、「SoftBank」のロゴを掲げているお店。それらは殆ど、その会社が運営しているものではありません。家電屋さんは理解できますね。そりゃヤマダ電機がNTTと一緒の訳がありません。けれども、いわゆるケータイ屋さんもそうなのです。普通のケータイ屋さんは、キャリアと代理店契約を結び、一生懸命販売する代わりにロゴなどの使用が認められているわけですね。というわけで、ドコモのバッジをつけて笑顔のお姉さんもドコモの社員ではなくて、中小企業の社員だったりするわけです。この代理店の歴史も掘ると面白いことがあったりします。三菱電機、富士通、NECといった大型電機企業は運営していた過去を持ちますから。昔話ですけどね。

さらに、ケータイ業界ならではの風習があります。それは、通信用の端末、いわゆるケータイですね、それと通信用の回線をセットで販売することが殆どだということです。これは日本らしいと言えるでしょう。ヨーロッパや香港では、Xperiaも家電屋さんで買えます。もちろんややこしい手続きなしです。ちょうどApple StoreでiPhoneを買うようにすんなり買えます。しかし、日本ではそうではありません。もちろん別々に売っていれば、ここのケータイが安いから、ここの回線が安いからと組み合わせて買うことで更に安くなる可能性はあります。また、取引ある会社のものを買いたいけど、あのキャリアじゃあ使ってないんだよなぁという営業マンにも嬉しい世界になります。しかし、現実は違います。キャリアは端末を何千台と一気に注文し、それを回線の収入とあわせて値付けしています。回線収入という安定した収益が見込めるから、0円ケータイ、1円ケータイという値引き商品が出てくるのです。だからこそ、端末と回線の関係は一長一短です。

何が問題なの

ドラマスティクな競争が起こりえないのは確かです。行政の手が入らなければ、ずっと同じ競争の仕方をするのはどの業界も一緒です。しかし、現状の売り方は「24回ローンで回線と一緒に」と固定されています。さらに競争が置きづらいですよね。そこで、auは36回や48回といった他社にない支払い回数によって差別化しています。48回についてはソフトバンクも追随し、話題になりましたね。普通の二倍の期間払うことを逆手に取った割引方法が、やり過ぎでしたけれども。ともあれ、小さな競争しかできていないわけです。そこで、総務省はMVNOに目をつけました。彼らはインフラの一部を大手三社から借り受け、独自の武器をもとに戦うわけです。例えば、今まで熱心ではなかったIoT機器向け、ようは電話ではなくて据え置きの機会に埋め込むものであったり、端末からの送信側を無制限にすることで映像中継がしやすくなったりそういったものが生まれました。それだけではなく、大半の会社は単なる「安さ」で勝負をかけてきました。楽天やmineoはCMも流れているのでみなさんも認識しているはずです。彼らのような業者は競争の呼び水になり、大手も対抗手段を打たざるを得なくなりました。これこそ、総務省の狙いであったわけです。

しかし、今までなかったものですから乗り換え方はわからないですよね?まず、そこの問題が大きかったです。これは、輪がひっろがるに連れ、メディアでの宣伝が多くなるにつれ解消していくでしょう。また、SIMロックの問題があります。これは、総務省がずっと目の敵にしてきたものです。どうしてでしょう。ケータイには、それ自身がどこの回線が使えるのか確認する仕組みが必要です。病院に行くときに出す保険証みたいなものですね。持ち主はどこそこと契約しているから、そことは通信できますよという情報が書き込まれているICチップをSIMカードといいます。もちろんそれは契約したときに渡すのが自然ですから、回線会社が書き込むことになります。そうすると、回線も端末も取り扱う大手はそこに制限をかけてしまえば、客は留まる可能性が極めて高くなります。彼らは日本の時価総額ランキングTOP10に入るような会社ですから、調達力には自信があるわけです。それでは、回線だけではなく、端末も乗り換えなくてはなりません。端末だけ乗り換えるのでさえ苦労する方が多いのに要求されるレベルが上ってしまいます。これを競争妨害とみなして、できる限りなくそうと総務省は取り組んでいるわけです。一応、大手側にも言い分があって、もし端末代金がきちんと払われなかったときに使えなくできるようにということです。もちろん、契約者の手にあれば、使えなくなりますから、お金の工面をしようとがんばります。商売人としては尤もですが、そのような契約者は、他のものも滞納する可能性が高いでしょうから一社だけではなく、全社で対策を取る姿勢にしないといけないのではと思いますが、現状バラバラに対策をとっています。これが一点です。

先程も書きましたが、端末の販売も担っています。それゆえ、Xperiaの小さいのが欲しい人はドコモといったことやiPhoneを48回ローンで買いたい人は大手三者とかそういった縛りがうまれます。これは、非価格競争の賜物と捉えれば、まっとうなものですが、端末だけを買うことができてもいいのではと思うのも自然です。大手で共通に取り扱われている機種は特にそう思います。この要望は数少ない顧客に向けてのものですが、大手が参入することで総務省が今まで喚起できなかった「端末と回線」という2つの概念を広い層にアピールする機会になりえます。前の記事でも指摘しましたが、公正取引委員会で指摘されたとおり、日本の消費者はケータイに関して疎いので、今のケータイの値札がわからず、日本のインフラがどれくらい優れているかもわかりません。国全体でLTEに繋がるというのは、都市国家を除けば日本ぐらいなもので、なおかつ速度が出る地域も広いです。最高速は歴史上の理由もあり、様々な国に追い抜かれていますが、規格策定の旗振りも担っていることから分かる通り、決して先端研究の手を抜いているわけではありません。それを維持するためのお金がいくら掛かるのかということもその概念を知ることで理解されると思います。

まとめ

まとまりのない文章かついずれも400字詰原稿用紙7枚程度という大ボリュームですが、ここまで読んでくださっている皆様には感謝、感謝です。最近GT-R勢のメカニカルトラブルが多いですけれど、皆様のおかげで元気です。ただ、このように歪んだ市場でそれを消費者が受け入れている現状がある中で、どう最大公約数を導き出すかそれは各国悩んでいるポイントでもあります。韓国が販売制度を変えたことは記憶に新しいですよね。そういったこともあり、簡単なお代ではないことは確かです。ちょっと上にも書いたとおり、ある意味世界一のインフラを保っている日本の大手三社に対し、ただ値下げを要求するのは「みんなで貧しくなりましょう」というキャンペーンにほかなりません。しかし、値札に納得出来ないことが「高い」という言葉で表されているならば、その意味を説明し、また商品を改良することで改善されるかもしれません。総務省、公正取引委員会、消費者庁の三者協議の場や総務省単独開催の会議でも議論されていく政策を見守っていきましょう。