eyecatch

http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2016/10/18/2087.html

http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2016/10/18/2086.html

https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/10/19_00.html

http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2016/20161012_03

各社、冬春モデルの発表が一巡しました。通信的なトレンドは「256QAM」、エンタメ的には「音」ですかね。移動通信機器なので、ここは通信側に注目したいと思います。というわけで、256QAMと3CC CAに的を絞って話を進めていきます。

ちょっとお勉強

この二つの意味するところは何か。前者は、通信処理の高度化。後者は、通信実効値の安定化。ということです。順に、もうちょっと詳しく見ていきますね。

256QAM

今回は、下りのみに適用されます。上りは、ドコモとソフトバンクは、来年後半か再来年に、auは、遅くても、来年後半に導入するとみられます。絶対的に個人的な予想ですが。なぜなら、auは今回、CA_B41Cを上りにも導入し、iPhone7シリーズでも動作するようにしたとアピールしています。その上、LGV34とSOV34とを対象機種として、WiMAX2+に64QAMを適用するほど上りを強化しています。この流れから、我先に、導入してくると思われます。それと同時に、FDD-LTE側にも上り64QAM適用もあり得るかもしれません。まあ、そんな妄想は置いといて。

さきほど、通信処理の高度化と書きました。これを解剖していきます。本来の意味として、「256」+「QAM」です。こうなると、「QAM」が引っ掛かります。それ自体は、電波を一度にどれだけ揺らがせることができるか、ということらしいです。もともと、電波で行う通信自体は、コンピュータで扱われる信号に合わせて、電波を揺らがせる。それによって行われています。ですから、その処理自体を、一度にたくさんできるとなると、最速値が上がるのは明白です。ただ、揺らぐ波が多くなるので、波同士がノイズとして現れる可能性があります。それを防ぐために、うまい形でシールドするために開発が行われてきました。その結果、需要の高い下りにやっと実装されました。

3CC CA

正確には、昨年秋からのトレンドです。auが、CA_1A-18A-28Aを導入したのを口火に、ドコモがCA_1A-3A-19AやCA_1A-21A-19A、ソフトバンクがCA_1A-3A-8Aを順次導入しました。それと同時に、シャープ機が、いち早くcat.9に移行したことや、ドコモスマートフォンラウンジの波形が懐かしく感じます。ソフトバンクのテスト風景が漏れたりもしましたね。この技術は、いたってシンプルです。電波のひとまとまりを1キャリアと呼ぶのですが、それひとつでは、どうしても限界が来てしまう。それなら、そのキャリアを複数使って通信しよう。ということです。それで、今まで、二つだったのが三つになって、各スマートフォンメーカーのフラッグシップに、搭載されるようになりました。その上、ドコモレベルになると、地方都市にいれば実感できるほどのエリアの広がりを見せています。

ただ、256QAMと同様にデメリットも当然あります。それは、待機電力が増えることです。仕組み自体が、複数の電波をつかみに行くものです。ですから、そのために電力とマシンパワーがどうしても必要になってしまいます。人間が、いろんな情報を調べようとしたら、多大な時間が溶けてしまうのと一緒です。その結果、常にCA状態だと今まで以上に、電池の持ちが悪く感じるかもしれません。本来なら、このように切り替えができるのが望ましいのですが、できないのが現状です。まあ、よくわからないまま電池を持たせる操作、と覚えられても困りますしね。CA中は、単純に使ってるバンド分の速度が合計されますので速度が、従来よりは高い値で安定する可能性が高いです。そことのトレードオフですね。自動車における燃費を求めるか、速度を求めるかみたいな話です。

今回の冬春モデルの感想

遠回りしましたが、この記事は2016年冬-2017年春間のモデルについてですよ。そんなわけで、上記を踏まえた感想をば。とりあえず、ソフトバンクさんや不意打ちすぎやしませんかね。本当にびっくりしましたぜ。その割には、スマホは少なかったですけどね。Huawei P9とかHTC Desire10シリーズとかそのあたり引っ張ってきてもよかったかなと。ほらRobinの正式ラインアップ化とか。いやあ、まあね前払いとして在庫を抱える怖さがあるにしても、グローバルバンドのみを使ってる強みを生かしてほしいなぁと。そこさえ入れてあとは、ちょっと見かけ料金プランを簡単にすれば釣れそうなのに。それと同時に、タブレットを強化してきましたね。今季一位なんじゃないですかね。Windows方面の取り組みも期待しますよ。Xboxを抜かせば全タイプ扱うことになりますから。

auは評価不能ですね。UQの発表会待ちです。完璧に。そこでの囲みまで含めての考察が必要でしょう。SIMフリー端末へのau VoLTE猛プッシュとLG X Screenの売れ行き。そして、「第二弾」が重要です。そして、ドコモ。死角無し。正しいフルラインアップですね。コンシューマーとしては満足ですけど、物好きとしては、IoTを訴求する製品が無かったのが意外。そこは、土管に徹するということでしょうか。それでも、確実に準備を進めてるみたいなので期待です。

全体として、それぞれで驚きがあったので満足です。auはもちろん物足りないですけどね。その代わりに、CESあたりまでの動きが注目です。ていっても、去年何もなかったもんなぁ。まあそれはそれということで。とりあえず、256QAMがもたらすMVNOへの恩恵も気になるところではあります。